フランス

今熱いワインの銘醸地!アルザスワインの魅力。

ハッチ

皆さんに是非知ってほしい産地がフランスのアルザス地方。
ここはハッチが一番好きなワインを生産する産地なんだぁ

アルザスワインの特徴

アルザスの気候

アルザス地方は、ヴォージュ山脈が湿った風を遮るためフランスの中でも比較的降水量の少ない産地になります。また、ヴォージュ山脈を超えた風は、フェーン現象を引き起こし暖かく温暖な気候になります。
ブドウは非常に糖度が高くなりやすく、乾燥した年には渇水が問題となります。

優れた畑は東あるいは東南向きの斜面に位置しており
北部のブドウ畑は冷涼でヴォージュ山脈から受ける保護が最も少なく、スティルワインよりも冷涼な地域特有の酸を利用した発泡性のワインであるクレマン・ダルザス〈Crémant d’Alsace〉の生産に向いています。

AlsaceMap
【地図参照元:vineyards.com(https://vineyards.com/wine-map/france/alsace)】

アルザスの土壌

アルザスの最も象徴的な特徴は、「モザイク」と表現されるほど多様な土壌が入り混じっていることです。
シストと呼ばれる結晶片岩や花崗岩、片麻岩、火山性堆積岩、砂岩、石灰質、石灰、泥灰質、粘土、崩積土、沖積土、黄土など様々な土壌が非常に細かく広がっております。

斜面や平地も複雑に入り組み合い、斜面に植えられたブドウは放射熱を受けやすいように樹木の身長は低く仕立てられ手詰みで収穫が行われ、平地に植えられたブドウは春の霜害の影響を最低限にするために樹木の身長は高く仕立てられます。
近年アルザスでは有機栽培や自然派の農業が盛んですが、日当たりが良く乾燥したエリアであるため病害のリスクが少ないことも理由として考えられます。

アルザスのブドウ品種

白ブドウ品種:

リースリング、ピノ・ブラン、シルヴァネール、ピノ・グリ、ゲヴュルツトラミネール、ミュスカ

黒ブドウ品種:

ピノ・ノワール

アルザスワインの独自のラベル表記

エーデルツヴィッカー〈Edelzwicker:高貴なブレンド〉
複数の白ブドウ品種を混醸またはアッサンブラージュさせて造ったワインに表記できる。
※混醸・・・複数のブドウを同じタンクで同時に発酵させること。
※アッサンブラージュ・・・複数のワインを仕込みブレンドさせてワインを調合させること。

ジャンティ〈Gentil〉
アルザスの高貴品種のリースリング、ミュスカ、ピノ・グリ、ゲヴュルツトラミネールを50%以上使用したワインに表記できる。ただ、各品種ごとに醸造させてアッサンブラージュさせたワインしか認められておらず、混醸して造ったワインには認められておりません。

甘口ワインのラベル表記
Vendanges Tardives〈ヴァンダンジュ・タルディーヴ〉
Sélection de Grains Nobles〈セレクシオン・ド・グラン・ノーブル〉の2種類のラベル表記があります。
いずれの表記も
・アルザスの高貴品種(リースリング、ゲヴュルツトラミネール、ピノ・グリ、ミュスカ)の中から一種使用していること
・手摘みで収穫していること
・遅くても収穫翌年の6月1日までに熟成をさせていること
・品種ごとに定められた果汁糖度を満たしてること
上記の項目を条件にラベル表記が認められております。
ヴァンダンジュ・タルディーヴとセレクシオン・ド・グラン・ノーブルの違いは、品種ごとの果汁糖度によって規定が異なっていますので詳しくは次の図を確認してください。

果汁糖度条件


Alsace Grand Cru〈アルザス・グランクリュ〉
独自のグランクリュの原産地呼称を持つ畑が50以上存在します。このエリアで作られるワインは、高貴品種(リースリング、ゲヴュルツトラミネール、ピノ・グリ、ミュスカ)を単一で使用する必要があり、ラベルには畑名や収穫年、場合によってはブドウの品種を記載する必要があります。
50以上の畑がグランクリュとして認定されているが、範囲が広く原産地呼称には相応しくない土地も一部含まれているため、生産者によってはラベルにグランクリュとあえて表記しない場合もあるようです。

バ・ラン県グランクリュ畑
【地図参照元:vineyards.com(https://vineyards.com/wine-map/france/alsace)】
オー・ラン県グランクリュ畑
【地図参照元:vineyards.com(https://vineyards.com/wine-map/france/alsace)】

アルザスを巡る戦争の歴史

アルザス地域は、今でこそフランスの領土ですが歴史を辿ると隣国ドイツとの戦争が重なり様々な文化的影響を両国から受けている地域でもあります。

特に大きな影響を受けたのは、1871年の普仏戦争ではドイツ領になったことをきっかけにドイツ向けに大量にワインを生産しなければならず質より量を重視した栽培・醸造を求められ安価なワインの生産地となりました。
また、19世紀末に広がったフィロキセラの影響で上質なワインを産出する斜面のブドウ畑は見捨てられてしまいました。
その後第一次世界大戦後、再びフランス領に復帰しようやく斜面への植え付けが再開され現在でも見られる複雑な品種の栽培が始まりました。

その後も第二次世界大戦の影響で再度ドイツ領とフランス領と繰り返すこととなりました。ワインだけではなく食文化や生活習慣、共通言語などもフランスとドイツの文化が今でも色濃く残るエリアとなっております。

ハッチ

アルザスのワインボトルとドイツのワインボトルは、どちらも細長いフルート型と呼ばれる形なのもドイツ領だった時の名残が今でも残っているためなんだね!!

これからのアルザスワイン

基本的には単一品種でワインを生産しているエリアですが、近年は多種多様な土壌や他の地域にはない特殊な気候を生かして今までにはないやり方でワインを造り出す生産者も増えてきました。
伝統的なアルザスワインの魅力もありますが、若い生産者が造り出すテロワールを意識した自然派ワインへの取り組みなど非常に面白い取り組みをしている産地になっています。

日々進化しているアルザスワインに今後も目が離せません。

ハッチ

アルザスワインは非常に魅力的なワインが多く、生産者によっても色んな表情があってとっても面白いエリアなんだ!ぜひ好きな生産者を見つけてアルザスワインを楽しんでください!