ぶんぶ〜ん!
今日は、甘くて美味しいミュスカを運んできたよ〜
ミュスカとは?
ミュスカの特徴
ミュスカ種は、小粒ですが凝縮感と果実味に溢れたワインを造るブドウとして有名です。基本的には、辛口から甘口〜極甘口のワインと幅広い味わいののワインを造ることができます。一般的に有名なマスカットと呼ばれるブドウ品種と同じ品種になります。
香りと味わい
香り
辛口タイプは、フローラルな香りが特徴で、その他、レモンやジャスミンなどの香りが感じられます。
甘口タイプは、マスカット、アプリコット、桃、菩提樹、バラ、ハチミツのような香りを楽しめます。
味わい
引き締まった酸味を感じるため爽やかな味わいでフルーティなワインを造ります。
甘口タイプになり糖度が増すと、甘さと粘度がよく感じられるようになります。
フルーツやフレッシュチーズとの相性が良いです。
品種の名前の由来と主な生産地
品種名の由来
ギリシャ発祥のブドウ品種で古代ギリシャ・ローマ時代から栽培されていると言われております。
イタリアではモスカートやモスカテッロ、スペインではモスカテル、ドイツではムスカテラーと呼ばれております。
主な生産地
- フランス🇫🇷・・・アルザス地方、コート・デュ・ローヌ地方、ラングドック地方、ルーション地方
- イタリア🇮🇹・・・ピエモンテ州
- ギリシャ🇬🇷・・・サモス島
栽培と醸造
栽培
ミュスカ種は、世界的にも有名で世界各国で栽培されておりますが、栽培においては気難しい部分がありミュスカ種の個性を十分に発揮できる産地はかなり限られていると言われております。また、ミュスカ種と名前が付くブドウ品種は数多くの存在しておりますが、その中でもミュスカ・ブラン・ア・プティ・グラン種〈Muscat Blanc à petits Grains〉と呼ばれる品種が最も有名で上質なワインを造ります。ミュスカ・ブラン・ア・プティ・グラン種は、素晴らしいワインを造る一方で結実不良(実が上手く成長しないこと)が起きやすく腐敗病にもかかりやすいため、より安定的に収穫ができるミュスカ・オトルネル種〈Muscat Ottonel〉も広く栽培されております。
醸造
ミュスカ種は、酒精強化ワインを造るブドウ品種としても有名です。フランスのローヌ地方では、ミュスカ・ドゥ・ボーム・ド・ヴニーズ〈Muscat de Beaumues-de-Venise〉と呼ばれる酒精強化ワインを生産し、これはワインを醸造する過程でアルコール度96%のスピリッツを添加することによって発酵を停止させて甘口ワインを造る方法が用いられております。また、極甘口の酒精強化ワインで有名なオーストリアのラザグレン〈Ratherglen〉では、ミュスカ・ア・プティ・グラン・ルージュと呼ばれるミュスカ種を栽培しておりますが、ブドウが木に実っている状態で温暖で乾燥した環境で完全に熟成するのを待って収穫します。干し葡萄に近い状態で収穫されたブドウからは、高い糖度の果汁を造ることができアルコール発酵の途中でスピリッツを添加し発酵を止めることで極甘口の酒精強化ワインを生産しております。
世界の有名生産地
フランス🇫🇷
フランスでは、特にアルザス地方で生産されるミュスカ種が有名です。アルザスで栽培される様々なブドウ品種とブレンドされることが多いですが、特にアルザスの特級畑では単一のミュスカ種のみで生産される非常にエキゾチックで甘美なワインが生産されています。通常の収穫時期より遅らせて収穫することで糖度の高いワインを生産したりしております。またアルザス地方では、貴腐ワインを造る原料としても人気があります。
フランスのローヌ地方では、ミュスカ・ド・ボーム・ド・ヴニーズ〈Muscat de Beaumes-de-Venise〉と呼ばれる天然甘口ワイン〈ヴァン・ドゥー・ナチュレル〉が造られます。
- ヴァン・ドゥー・ナチュレル〈Vins Doux Naturels〉とは・・・アルコール発酵中の果汁に度数の高いスピリッツを添加し、酵母の働きやアルコール発酵を止めることで高い糖度を残したまま造られる甘口ワインのこと。
- ヴァン・ド・リキュール〈Vins de Liqueurs〉とは・・・アルコール未発酵の果汁に高い度数のアルコールを添加し、樽やタンクなどで熟成させて造られる甘口ワインのこと。
イタリア🇮🇹
イタリアのピエモンテ州では、アスティと呼ばれる発泡性の甘口ワインを生産しておりますが、この甘口ワインもミュスカ種から造られております。ミュスカ種の中でも特に最上と称されるミュスカ・ブラン・ア・プティ・グラン種(イタリアでは、モスカート・ビアンコ種)と呼ばれるブドウ品種から生産されミュスカ種の特徴がはっきりと感じることができます。
ミュスカは、スティルワインだけでなく発泡性のワインや、
酒精強化ワインも造る変幻自在なブドウ品種なんだね!