【ワイン知識】グルナッシュってどんな品種？産地と特徴をご紹介！

ハッチ

ぶんぶーん。
今日はスペインから果実味溢れる情熱的なブドウ品種を運んできたよ〜

目次（クリックすると移動できます）

グルナッシュとは？
世界の有名産地

グルナッシュとは？

グルナッシュの特徴

グルナッシュ種は、房と粒の大きさは中程度で、果皮が薄く高いアルコールと程よい酸味が特徴的なブドウ品種です。温暖な産地を好み、晩熟型で雨に弱い品種のため、降水量の少ないエリアでの栽培が適しています。ワインの色合いは明るく薄めですが、栽培方法や醸造方法によってライトな飲みやすいワインから濃厚でフルボディな味わい、辛口から甘口のワインまで幅広く変化するのもこのブドウ品種と特徴と言えます。

香りや味わい

香り

ラズベリー、ブラックベリー、イチジク、ジャムのようなフルーティな香りやハーブや胡椒やシナモン、ショウガといったスパイシーな香りがあります。このようなスパイシーな香りは、ブドウ育成過程でブドウを間引かず過剰に収穫されたグルナッシュからはあまり感じられません。熟成が進むとなめし皮やチョコレートのような香りが出てきます。

味わい

凝縮した果実味、フルーティでフルボディな味わい。タンニンは穏やかですが、アルコール度数が高くなりやすいです。

品種名の由来・他の産地の呼び方

品種名の由来

原産地のスペインでは「ガルナッチャ」と呼ばれており、これは「ガーネット」に由来していると言われています。

他の産地の呼び方

スペイン🇪🇸 ガルナッチャ〈Garnacha〉、ガルナッチャ・ティンタ〈Garnacha Tinta〉
イタリア🇮🇹 サルデーニャ島　カンノナウ種〈Cannonau〉

原産地と主な生産地

原産地

スペインのカタルーニャ地方アラゴン州が原産だと言われています。

主な産地

スペイン🇪🇸 カタルーニャ州〈プリオラート〉、リオハ州、ナバーラ州
フランス🇫🇷 ローヌ南部、ラングドッグ・ルーション、プロヴァンス
イタリア🇮🇹　サルデーニャ島、シチリア島

栽培と醸造

単一品種でワインを造ることはあまりなく、他のブドウ品種とブレンドして使われることが多いです。ブドウ品種として際立った個性があるわけではありませんが、他のブドウ品種とブレンドさせることでワインの質を高める側面があります。高温になると果実味が濃く、アルコール度数が高すぎる傾向にあるため熱に強いカリニャン種やムールヴェードル種とブレンドされることがあります。また、タンニンが強いシラー種とブレンドさせることでまろやかさとコクを与え味わいを整える効果もあります。栽培の際に水分量をコントロールし、収穫量を制限することで濃厚な果実味の色素の濃いワインを造ることができます。

通常のブドウの木の仕立て方では収穫量が多すぎてしまうため、コントロールするためにゴブレ式〈株仕立て〉と呼ばれる仕立て方を好む生産者もいます。ゴブレ式〈株仕立て〉は、栽培面積の狭い生産地や南フランス、スペイン、ポルトガルやギリシャなどの乾燥した産地で使用される仕立て方になります。ブドウ樹の身長が低く、収穫量が制限されますが、その分凝縮したブドウを造ることができます。機械を導入するのが難しく手作業での仕事が増えますが、その分凝縮したグルナッシュを収穫することができます。

ハッチ

ゴブレ式は、ブドウ樹の身長が低く全ての作業を中腰の姿勢で行わないといけないので、かなり重労働な作業になりそうだね〜

ニューワールドなど広大な栽培地でブドウを育てる場所では、グルナッシュを栽培する際に垣根仕立てと呼ばれる仕立て法が採用されています。ブドウ樹の身長が高く、機械での収穫が可能となるので収穫しやすい反面、ゴブレ式と比べると風味が穏やかなワインができます。

グルナッシュ種は赤ワインのみならずロゼワインの生産も多く、南フランスやスペインではロゼワインのベースとして使用されています。また、南フランスのバニュルスやモーリーやポルトガルのポートワインなど甘口ワインの原料としても認められています。

世界の有名産地

スペイン

カタルーニャ州のプリオラートでは、カリニャン種〈Carignan〉とブレンドされることが多いです。タンニンが多く新鮮な果実味が特徴で濃い色のワインができます。リオハ州では、テンプラニーリョ種〈Tempranillo〉とブレンドされアルコールとボディがしっかりしたワインが造られます。アラゴン州では、単一品種としてワインが造られることが多いです。

【地図参照元：vineyards.com（https://vineyards.com/wine-map/spain）】

フランス

フランスでは、ローヌ地方南部で広く栽培されています。特に有名なのはシャトーヌフ・デュ・パプ〈Châteauneuf-du-Pape〉でグルナッシュを含む数種類のブドウ品種をブレンドさせた最上のワインが造られます。フランス南部で代表的なシラー種やムールヴェードルといった品種とブレンドされることが多く、凝縮した果実味とスパイシーさを併せ持つフルボディのワインが造られます。
その他にもジゴンダス〈Gigondas〉やリラック〈Rirac〉などの赤ワインやロゼワインで有名なタヴェル〈Tavel〉といった品質の高いワインを生産します。

ラングドックやルーション地区でも栽培されており、シラー種やカリニャン種、ムールヴェードル種、サンソー種といった品種とブレンドされることが多いです。