基本のブドウ品種

【ワイン知識】メルローってどんな品種?産地と特徴をご紹介!

ハッチ

ぶんぶ〜ん!
今回は、偉大な名脇役メルローを運んできたよ!

メルローとは?

メルロー種は、カベルネ・ソーヴィニヨン種やピノ・ノワール種に並ぶ国際的なブドウ品種です。
カベルネ種とブレンドされることが多く、ブドウの性質は対照的でパワフルなカベルネ種とふくよかなメルロー種が互いの個性を補うようにブレンドされます。

メルローの特徴

果皮が薄く大粒なブドウ品種で早熟型であるため実が熟しやすいのが特徴です。乾燥に弱く気温の高すぎる産地は好まないため、土壌も保水性の高い粘土質の土壌が向いています。実が熟すのが遅い晩熟型のカベルネ・ソーヴィニヨン種と一緒にブレンドさせることが多く、早熟のメルロー種と晩熟のカベルネ種を一緒に植えることで収穫時期を変えることができ、安定した収穫ができます。

カベルネ・フラン種とマドレーヌ・ノワール・デ・シャラント種との自然交配によって生まれ、同じくカベルネ・フラン種から派生したカベルネ・ソーヴィニヨン種やカメルネール種とは親戚関係にあります。

料理は、特にお肉やジビエ〈鴨、鳩、鹿、猪〉との相性が良く、お肉本来の味わいをさらに膨らませます。

香りや味わい

香り

ブルーベリーやカシス、熟成により土っぽさ、コーヒー、黒トリュフの香りが出てきます。
熟度が低いブドウからは、ミントとピーマンのような香りがするのが特徴です。

ハッチ

カベルネ・ソーヴィニヨンと親戚関係にあるだけに
若いワインからはミントのようなグリーンな香りがするんだね!

味わい

凝縮感のある果実味がありふくよかな味わいが特徴です。タンニンは滑らかで全体的にフルーティなワインに仕上がります。熟成が進むと深みのある味わいへ変わっていきます。

品種名の由来

品種名の由来

Merle〈ツグミ〉という鳥が畑でメルロー種をよくついばんでいたことからMerlot〈メルロー〉という名が付きました。

原産地と主な生産地

原産地

ボルドーが原産だと言われており、その後イタリアへと広まっていきました。

主な生産地

  • フランス ボルドー、南西地方、ラングドック・ルーション地方
  • イタリア ヴェネト州、フリウリ・ヴェネチア・ジューリア州
  • アメリカ カリフォルニア州ナパヴァレー
  • スイス
  • ルーマニア
  • ブルガリア
  • 南アフリカ
  • チリ
  • 日本

栽培と醸造

ピノ・ノワール種と同じく新芽が出る時期が早く、春先の霜害に弱いです。また収穫時期は、カベルネ・ソーヴィニヨンよりも2週間以上収穫時期が早くメルロー種と一緒に栽培することで収穫時期を分けて作業できるため安定した栽培が可能になります。

メルロー種から作られるスタイルは大きく2種類に分かれます。

  • 「国際的なスタイル」
    しっかりとしたタンニンが感じられるように敢えて遅く収穫し、新しいオーク樽を使用し熟成させる。ニューワールドのワインや南フランス、一部のボルドーで使用される。
  • 「ボルドースタイル」
    早めに収穫することでボディとアルコール度は中程度になるが、酸味は高く新鮮な果実味が特徴で、野菜の葉のようなフレッシュな香りが特徴的。ボルドー以外ではあまり見られないスタイル。

世界の有名産地

フランス🇫🇷

フランスでは、ボルドーのサンテミリオンやポムロールといった産地で高品質なメルローが栽培されています。
味わいを補完し合うカベルネ・ソーヴィニヨンと一緒に栽培することで、環境の変化によるリスクを軽減させるワイナリーが多く、ヴィンテージによってブレンド比率が変わるのもボルドーワインの面白いところです。

基本的には、カベルネ・ソーヴィニヨン種やカベルネ・フラン種とブレンドされることが多いですが、一部の産地ではメルロー100%のワインを造り、販売価格が数十万円以上する最高級ワインを生み出すことでもよく知られております。

ボルドーは比較的緯度が高い位置にありますが、太平洋からくる暖かい偏西風のおかげで暖かい気候が続き、メルローにとって適した温度環境になっています。しかし一年間を通して雨が多く、大粒で果皮の薄いメルロー種は雨によって果皮が破れたり、多くの水分を吸い上げることでメルロー特有の凝縮感が失われてしまうことがあります。降水量や降水時期によりヴィンテージによって味わいが変わってきますが、ブレンドする品種の比率を調整したりすることで品質を安定させています。

イタリア🇮🇹

北イタリアでは、品質の高いカジュアルワインを多く造ります。
トスカーナ州では、カベルネ・ソーヴィニヨン種やサンジョヴェーゼ種とブレンドさせて高級ワインを造ることでも有名です。

日本🇯🇵

日本の土壌にはメルロー種の栽培に適した産地が多くあります。特に、長野県と山梨県がメルローの栽培地として非常に有名です。
長野県塩尻市では、シャトーメルシャンをはじめ多くのワイナリーが上質なメルローを栽培しています。

ハッチ

美味しいワインは日本で造れないと言われていましたが、その固定概念を変えてしまったのがメルロー種です!!世界でも評価されつつある日本ワインの素晴らしいメルローを是非楽しんでみてください!