ぶんぶーん!
今日は香り高い白ブドウ品種のソーヴィニヨン・ブランを運んできたよ〜
ソーヴィニヨン・ブランとは?
ソーヴィニヨン・ブランの特徴
ソーヴィニヨン・ブラン種は、房・粒は小さく果皮は厚いことが特徴です。成熟時期については、シャルドネ種よりはやや遅く、リースリング種よりは早く熟します。十分に熟していないソーヴィニヨン・ブランからはハーブや草などの香りが出やすいです。また、樹勢が強くしっかり樹冠管理しないと枝葉が広がり、日陰が多くできてしまうため必要な日照量を得られなくなってしまいます。
一般的にソーヴィニヨンブランは、アロマティック品種とも呼ばれ葡萄本来の香りが強いブドウ品種となります。また、「メノキシピラジン」と呼ばれる物質が含まれており柑橘やハーブのような独特の香りが感じられます。同様の物質は、カベルネ・ソーヴィニヨン種にも含まれており青野菜やピーマンのような香りのニュアンスがあります。
ソーヴィニヨン・ブランの血縁関係
ジュラ地方のサヴァニャン種が片親としてわかっていますが、詳しいことはまだ判明しておりません。シュナン・ブラン種とは兄弟関係にあり、カベルネ・フラン種と自然交配しカベルネ・ソーヴィニヨン種ができています。
香りや味わい
香り
冷涼な気候の産地では、青リンゴやレモン、アスパラの香りのようなニュアンスがあります。また、石灰やミネラルを感じる場合もあります。未熟なブドウからはハーブや草木のようなニュアンスが感じられます。日照量が強くなるとグレープフルーツやエルダーフラワー、洋梨、パッションフルーツの香りが出てきます。
ソーヴィニヨン・ブランの香りは、ヨーロッパで「ネコのおしっこ」と表現されることもあります!独特な表現の仕方が色々あって面白いですね〜
味わい
冷涼な産地では、酸味も強くフレッシュでハーブや柑橘系の風味が特徴。温暖な産地では、酸が心地よく感じられまろやかなに変化し、果実味がより厚く感じられる味わいに変化していきます。
品種名の由来
「ソーヴィニヨン〈Sauvignon〉」は、フランス語で「野生」を意味する〈Sauvage〉が由来とされています。「ブラン〈Blanc〉」は、フランス語で「白」を意味します。
原産地と主な生産地
原産地
不明。1534年にロワールの葡萄として言及がありその際「フィエール〈Fiers〉」と呼ばれておりました。
主な生産地
- フランス🇫🇷 ボルドー地区、ロワール地区、ラングドック
- アメリカ🇺🇸 カリフォルニア州
- ニュージーランド🇳🇿
- イタリア🇮🇹 フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州、ヴェネト州
- オーストラリア🇦🇺 シュタイアーマルク州
- スペイン🇪🇸
- 南アフリカ🇿🇦
- チリ🇨🇱
栽培と醸造
シャルドネと同様様々な醸造アプローチがあります。房のまま絞って果汁を取る場合やしっかり除梗・破砕を行なって果汁を取ることもあります。また、果皮や種子を果汁に漬け込んだまま発酵させたり、ステンレスタンクや木樽、コンクリートエッグを使用した発酵、熟成など様々です。M・L・Fの実施の有無や澱を残したまま熟成させるシュールリー製法を行うなど生産者によって使い分けがされています。
単一品種で造られることも多いですが、ボルドーでは、セミヨン種とブレンドさせて仕上げられることが多いです。酸味と華やかさがある品種ではありますが、深みやコクが穏やかな品種であるためボリューム感があるセミヨンをブレンドすることが多いです。またイタリアでは、コクを補う品種としてシャルドネ種が採用されており、スペインではベルデホ種がブレンドされます。
発酵と熟成に関しては、一般的には温度管理が簡単なステンレスタンクを用いることが多いです。ステンレスタンクを使用することですっきりとフレッシュなワインに仕上げることができます。
しかし、カリフォルニア州やボルドーのペサックレオニャン地区では、樽醗酵を行いクリーミーでスパイシーな味わいのソーヴィニヨン・ブランが造られます。
世界の有名な生産地
フランス🇫🇷
【地図参照元:vineyards.com(https://vineyards.com/wine-map/france)】
ボルドーでは、補助品種のセミヨン種とブレンドさせるボルドーブレンドが主流。
ペサック・レオニャン地区では、ノンアロマティック品種で用いられる製造方法を導入しているエリアもあります。発酵過程、熟成過程でオーク樽を使用することによって芳醇なボディとナッティーでスパイシーな香りを楽しむことができます。
また、ボルドーのソーテルヌとバルサック地区では、貴腐菌という菌がブドウに付着することによって作り出すことができる極甘口の貴腐ワインと呼ばれるワインの原料としてソーヴィニヨン・ブランとセミヨンが用いられることでも有名です。
サンセールやプイィ・フュメでは単一品種として造られよりハーブの香りが強く感じ、エレガントで控えめなワインを造ります。両産地は、シャブリ地区の土壌でもお馴染みのキンメリジャンと呼ばれる小さい牡蠣の殻の化石が密集するエリアです。サンセールでは、よりミネラルを感じられ濡れた石のようなニュアンスが感じられます。プイィ・フュメでは、若干の燻製の香りが伴うことがあります。ちなみにフュメ〈Fumé〉はフランス語で〈煙〉を意味しています。
アメリカ🇺🇸
1970年代にローバート・モンダヴィという造り手が、ソーヴィニヨンブラン種を使用した「フュメ・ブラン」と呼ばれる白ワインを発売したことによって、カリフォルニアを始めとする産地でソーヴィニヨン・ブランに注目がありました。ステンレスタンクではなく、小樽でしっかりと樽熟成させたワインが造られています。
ニュージーランド🇳🇿
1990年代以降、ニュージーランドを代表するブドウ品種として世界的に有名になりました。暖かい産地の北部エリアでは、トロピカルフルーツやパッションフルーツの香りが目立つワインが造られます。冷涼な南部エリアでは、酸味が高く、青ピーマンやハーブのニュアンスを持つワインが造られています。
【地図参照元:vineyards.com(https://vineyards.com/wine-map/new-zealand)】
アロマティックな香りの魔術師!
産地によって香りが大きく変わる品種のソーヴィニヨン・ブラン!同じ品種なのにこんなに香りが違うんだと毎回驚きがあるので是非色んな産地のソーヴィニヨン・ブランを試してみてね!